2023.06.10 お知らせ
図書館 HP4
こんにちは。図書館です。
現在図書館では、2つの企画展示をしています。
「世界を知ろう」と「6月の注目図書」。
「世界を知ろう」では、地理、歴史、建築、芸術などさまざまな分野のオススメ本を展示しています。
もちろん「ウクライナ」を知るための本もあります。
「6月の注目図書」では、梅雨の季節の動植物や気象、さらに「水」をイメージした小説など。そして
この豊かな水を守るために知っておきたい環境関連の本も紹介しています。
どちらも司書さんの企画です。ぜひ手にとって見てください。もちろん借りられます。
さて、今回はそんな企画を後押ししたいと思い選んだ2冊です。
世界を知るには、まず日本から。ということで、1冊目は・・・
『にほん的 それは、ジミでハデなこと』(松田行正・河出書房新社)
著者はグラフィック・デザイナー。『目の冒険(紀伊國屋書店)』で第37回講談社出版文化賞ブックデザイン賞を受賞しています。
本の紹介に移ります。
全10章、それぞれの章のタイトルが魅力的。「動」、「奥」、「触」・・・といったように、漢字1字で日本文化の特徴を示し、
サブタイトルで補足説明をしてくれます。例えば「動」については「運動の描き方」というように。
第1章「動」では、動きをどのように描くかというテーマで、筆者は日本の漫画の運動表現を取り上げます。そして太古の洞窟画、西洋絵画へと話を進め、日本の中世の絵巻、江戸の浮世絵、果ては装飾文様まで多彩な例と広い視野で考察を展開し、日本の運動表現のルーツを平仮名の分かち書きに求めていきます。わずかなページ数で要領よく内容をまとめ、結論を導いていく。まるで絵巻物、スライドショーを見ているような論述で、読み終わった後、思わず「なるほど!」と納得。今まで漠然と日本的と言われていた特徴が、しっかり手のひらに乗った、そんな気持ちになります。日本文化に興味のある方、楽しめます。
続いての1冊は、関東地方が梅雨入りした(6月8日)今の時期、自然を楽しむための一助として・・・
『葉っぱはなぜこんな形なのか? 植物の生きる戦略と森の生態系を考える』(林将之 講談社)
多様な葉の形は植物の「生きる戦略」、これが著者の考え方です(カバー解説)。
では著者の「心理テスト」に答えて下さい。
「想像して下さい。あなたは木です。これから、葉っぱをつけます。どんな形の葉っぱをつけますか?」
著者は6つの葉の形を提示し、それぞれの形について、「仕事観」を説明してくれます。
例えば紅葉のような形の葉を選んだ人は「世渡り上手型」というように。
通常の植物解説本とはだいぶ違いますね。こんな解説だったら楽しく読めそうな気がしませんか(実際読めます)。
著者の「心理テスト」はまだあります。今度は「花」。
「想像して下さい。あなたは木です。成長して、花を咲かせました。その花は何色ですか?」
著者は5つの選択肢を用意し、選んだ色ごとに・・・これ以上はやめておきます。
葉の形が「仕事観」を表すならば、「花の色」が表すものは何なのでしょう。
一味違う植物解説、興味ある人はどうぞ。明日から「葉の形」、「花の色」を見る目が変わります。
・・・2冊とも借りられます。
こんな記事見つけました。
「CO₂を食べる自販機 吸収剤搭載」(『産経新聞 2023年5月10日』)
ある大手飲料メーカーが、大気中のCO₂を吸収する自動販売機の実証実験を6月に始めると発表。
自動販売機内に特殊な吸収剤を搭載し自販機の稼働に伴う電力消費で排出されるCO₂の20%の吸収を見込んでいるとのことです。
記事はこの自販機を「CO₂を食べる自販機」と表現しています。将来的には回収したCO₂を肥料や建材に活用するパートナー企業や
自治体を募集するそうです。このような自販機が国内に普及していけば、CO₂をめぐる問題にも明るい兆しが見えてくるかも。
既存のものどうしを上手に組み合わせたこの発送、日常を見直すヒントになりそうですね。
・・・では、校内の植物をお楽しみ下さい。