本校2年生の青柳有華さんが、平成28年度NU祭「絵画・書道展」で校友会特別賞を受賞しました!

その青柳さんに今回の絵についてコメントをいただきました。
「高校でも絵の活動をしたい。」と、1年生の時に担任の先生に話したところ、平成28年度NU祭「絵画・書道展」のことを教えて頂きました。
今回作成した絵の題名は『身にし負はば』です。これは、『伊勢物語』という平安時代の短編物語集の中で出てくる「名にし負はば いざ事問はむ 都鳥 我思ふ人は ありやなしやと」の「名」を「身」に変え、引用しました。トキの身体の色は日本の国旗を連想させることと、上記の和歌の「名にし負はば」(現代語訳すると、名前を持つならば)が一致しました。
使用した画材は、 主に日本画でつかわれる岩絵具、乾いたら水に滲まないアクリル絵具(アクリルガッシュ)、背景の金色や銀色は金箔と白金箔です。岩絵具を用いるのは今回が初めてでした。美術の時間に使う絵具とは違い、筆の運びが重く、ムラができやすく、さらにあまり滲みという誤魔化しが出来ないのでとても難しい画材でした。
また、金箔や白金箔を貼ることも初めてで、鹿の皮を張った箔盤という台に金箔を置いて竹でできた刃物で大きさを調整するのですが、人の息だけでなくクーラーの風や作業している部屋の空気の流れで金箔はあっちこっちに飛んでいきました。貼る時も、ちから加減を間違えれば所々穴ができてしまいます。トキの首近くの白金箔に大きな穴を開けてしまいましたが、酸化して黒をほのかに帯びている銀箔を細かく切って貼るとその穴は落ち着きました。
この絵の工夫した所は、主に2つあります。
1つは、トキの顔です。写真で実際のトキの顔を見てみると、少しゴツゴツした印象を持ったので、何度も何種類もの赤色やオレンジ色を重ね塗りして質感を出しました。
もう1つは、写真ではわかりにくいですが、絵のトキの白い羽の部分に薄く銀色で羽1枚1枚を所々細かく描き込み、光の当て具合で光るようにしています。
一度使ってみたかった金箔や白金箔、岩絵具でしたが、これを作成している途中、桜の配置が難しく筆が止まってどうにもこうにも絵が描けなくなりました。絵の提出期限は文化祭が終了した4日後という怒涛のスケジュールの中でしたが、ぎりぎりまでねばり、もう一度原点に戻って考え、諦めずに描くことができました。
最後まで私を信じて背中を押し続けてくれている1年生の時の担任の先生、私を支えてくれた家族や周りの方々のおかげです。
そして絵画展に来て下さった人々の投票により、校友会特別賞を頂くことができたのは、何よりも感謝です。
本当にありがとうございました。
今後もこの経験を生かし、沢山の挑戦をしていき、来年のNU祭「絵画・書道展」で活躍したいと思います。