2021.08.16 校長通信
校長通信26号
残暑お見舞い申し上げます。
東京オリンピック開催の記念すべき夏であるはずが、感染拡大の影響で厳しい状況下での実施となり、選手の方々の気持ちを考えると、複雑な心境にならざるを得ません。しかし、それを超える日本選手の大活躍に元気をもらい、改めてスポーツの持つ力を感じました。特に、本校職員であるウエイトリフティング競技67kg級 近内三孝選手 のオリンピック出場や日大生及び校友の多くの活躍がみられ、間近に感じられました。
さて、今回はOB元野球部主将 若生裕太さんからの力強いメッセージが届きました。野球部監督からの紹介も兼ねた一言からどうぞ。
【本校野球部 萩生田監督から】
本校在学中は、幾度となくケガに苦しみ、常に乗り越え、上級生では主将として、チームを牽引しました。
卒業後に発症した視力の障害。やり投げ選手に転向し、世界大会を目指している話を耳にしました。一昨年前、「東京パラリンピックを目指しています」という連絡があり、驚きました。惜しくも、東京パラリンピックでは選考落ちしましたが、すぐに彼より結果の一報があり、それに対し「人生には必要な事しか起こらない」と私は一言だけ伝えました。その一言と真摯に向き合っている今の彼の姿に、大きな希望を持ち、今後も期待しています。
【卒業生の若生裕太さんから】
こんにちは!卒業生の若生裕太です。
大学卒業後、現在はパラ陸上視覚障害クラスのやり投げをしています。
今回、このような大変貴重な機会を頂き、本当にありがとうございます。
この場をお借りして皆さんに、私が大切にしている「人生全てポジティブ要素」という考え方をお伝えできればと思います。
私は、20歳の秋頃に突然急激に視力が低下してしまうレーベル遺伝性視神経症を発症し、視覚障害となりました。発症した当時は、言葉に表せないほどの絶望感がありましたが、今まで以上に人の温かさを感じることができ、現在ではたくさんの方々に支えられ、背中を押して頂いているおかげで、新しい夢に向かって挑戦することができています。これは、視覚障害になったからこそ、経験できたことです。
失敗や挫折は誰にでも起こり得ることだし、これから先の人生でも必ず訪れると思います。
それでも、ひとつひとつ乗り越えていけば、何ヶ月、何年か先に過去の出来事を振り返った時に「あの時があったから今の自分がいる」と思えます。私が大切にしている「人生全てポジティブ要素」というのは、起こってしまったことは変えられないが解釈は変えることができるという意味です。私は東京パラリンピックに出場して、今まで支えてくださった方々に恩返しをするという夢がありましたが、最終選考で落選してしまいました。
大きな挫折をして、とても落ち込んでいる最中ですが、この経験を無駄にせず、悔しさをバネにして三年後のパリパラリンピックでは金メダルを獲れる選手になれるように頑張ります。
鶴高生のみなさん、今できることを全力で楽しんで取り組んでください。
鶴高生の益々のご活躍を心より願っています。ありがとうございました。
鶴高生・同窓生・未来の鶴高生
一緒に元気出して頑張っていこう!