2022.11.26 在校生のみなさまへ
図書館通信 5号(2022年度)
こんにちは。図書館です。
クリスマスの季節です。本校正門の広場では恒例のクリスマスツリーの点灯が始まりました。
クリスマスバージョンに変身したトナカイたちも合わせてお楽しみ下さい。
ちなみにモミの木は平成17年度の卒業生から寄贈されたものです。
では、今回紹介する本は・・・どちらも図書館の奥に眠っている本です。
『ヒトラー・ユーゲントの若者たち 愛国心の名のもとに』(S.C.バートレッテイ 林田康一訳 あすなろ書房)
本書は「ヒトラー・ユーゲント(ヒトラー青年団)」にかつて所属していた人たちの聞き書きです。
作者は歴史的出来事を冷静に語りつつ、今は老人となったかつての「ヒトラー・ユーゲント」たちの証言を丹念に拾い集めて行きます。
まるで歴史という太い幹に、証言という枝を茂らせるように。それによって当時何が起きていたのか、若者たちは何を考えていたのかが、
立体的に浮かび上がってきます。
どの若者たちも善意に満ちた、他人を思いやる普通の人たちです。その親たちも子供を思い、心配する普通の親です。
どこで間違えてしまったのでしょうか。
「1926年に正式に発足したヒトラー・ユーゲントは、若者たちに、わくわくするような高揚感、数々の冒険、
そして崇拝すべき英雄を提供しました」(はじめに)。
もちろんヒトラー・ユーゲントに所属しつつも、実際にやっていることに疑問を持ち始めた若者もいたのです。
しかし容易に引き返せなかった・・・
過去を振り返るかつての若者たちの言葉に耳を傾けてみてください。
これは、今を生きる若者である皆さんへの道標(道しるべ)かもしれないのですから。
続いての本は・・・
『くらべる世界』(おかべたかし・文 山出高士・写真 東京書籍)
「本書は、「朝ごはん」や「カレンダー」「ネクタイ」など33の項目を立て、
それらが「日本とアメリカ」「イギリスとフランス」のように世界の異なる2カ国間で、どのように違うのか
をくらべて解説した本です。・・・違うから議論が生まれ、くらべることからコミュニケーションが始まる。
そんなコンセプトで編まれた本書が、異文化理解のよき入門書になりましたら幸いです。」(はじめに)
この本の紹介はこれで十分でしょう。後は手に取るだけ。
でも少しだけ中身を見てみましょう。
「トルティージャ」が「スペインのオムレツ」。「スフレオムレツ」が「フランスのオムレツ」。
これを例題として、
「X味」が「中国のカップヌードル」。「Y味」が「アメリカのカップヌードル」。
「X」が「フランスのカレンダー」。「Y」が「ドイツのカレンダー」。
「Xのストライプ」が「イギリスのネクタイ」。「Yのストライプ」が「アメリカのネクタイ」。
・・・このへんにしておきます。「X」「Y」に入る内容、知りたくありませんか?
こんな記事、見つけました。
「数十秒でプロ級 AI作成画像」「フェイク拡散 静岡豪雨で問題視」「最後は人間の選択」
「朝日新聞 文化面」 2022年10月18日
「AIを活用して画像を作る「画像生成AI」のサービスが次々と登場している。文字列を打ち込むだけでプロ顔負けの画像が
表示されるなど手軽さの一方で、フェイク画像や著作権をめぐる課題なども議論されている。」(リード)
テレビニュースでも9月の静岡豪雨の様子をドローンで撮影したとする画像が、フェイク画像であったことが報道され、問題視されました。
フェイク画像拡散の危険性、著作権の問題など新たな技術の登場には新たな問題も出現します。
記事では利用者の注意点にも言及しています。「・・・『選ぶ』というのが人間の最後の能力。そこをいかに研ぎ澄ませるかだと思う。」
新たな技術の出現には、既存の能力の向上も求められるということでしょうか。皆さんはこの技術、どう活かしますか?
この記事、図書館の新聞コーナーで読めます。
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