お知らせ

2023.09.27 お知らせ

図書館 HP6

こんにちは、図書館です。2学期が始まりはや1ヶ月。

今年はかなり厳しい残暑が続いていますが、学校生活はいかがですか。

もうすぐ10月。10月といえば、「ハロウィン」ですが、「読書週間」もお忘れなく。

ということで、今回は読書週間を前に司書の方々が選んでくれた本を紹介します。

館内の特集コーナーでは、司書の方々が時期に合わせ、学校行事に合わせ色々な本を紹介してくれています。

ぜひ足を運んでみてください。コーナーに加えてほしい本などありましたら、司書の方々に提案してみたらいかがでしょう。

生徒、司書、教員、立場の違いはあっても、みんなで図書館を作っていければ楽しいと思いませんか。

 

◯コーナー「読書の秋がやってくる」より

 ・・・「本」や「読書」「図書館」にまつわる「本」を集めてみました。

『みちのきち 私の一冊』(鯉渕友南 弘文社)

 「みちのきち」とは國學院大學で発足したプロジェクトです。どんな意味なのか気になる方は本書の「あとがき」を御覧ください。

 内容は、多くの方々による本の紹介です。どんな方々なのか。作家、俳優、漫画家、建築家、デザイナー、プロレスラー、プロ野球コーチ、歌手、料理家、・・・。紹介記事はわかりやすく、何より紹介している本の写真が魅力的。まさに本の写真集です。写真を見ているだけでも満たされた気分になります。

 

『まなの本棚』(芦田愛菜 小学館)

 著者については説明不要でしょう。幼少期からの読書歴、読書をめぐる著名人との対談、そして今までに読んできた本の紹介と感想といった読書愛あふれる内容です。感想も飾らず素直な思いが綴られていて、「読んでみようかな~」という気持ちにさせてくれます。天才子役と言われ、今もテレビで活躍している著者は、幼少期からこんなに本を読んでいたんですね~。すごいです。

 

『わたしは10歳、本を知らずに育ったの。』(鈴木晶子+山本英里+三宅隆史 合同出版)

 「・・学校に穴のあいた服を着て行って友だちに笑われることもある 図書館の本はぼくをしかったりたたいたりしない 穴があいている服をきていたってぼくを笑ったりしない・・」巻頭に掲げられているミャンマーの少数民族カレン族のエブトウルくん(10歳)の詩の一部を引用しました。本書は一冊の本によって生きる希望を見出し、人生を変えていこうとしているアジアの子どもたちの現状と、そんな子どもたちに本を届け、図書館をつくる活動をしている国際ボランティアの方々の記録です。

 

『その本は』(又吉直樹+ヨシタケシンスケ ポプラ社)

「その本は・・・」で始まる13夜に渡る物語。作者と思われる人物二人が、交代で一夜ずつ本にまつわる物語を王様に語ります。なぜこんな事になったのか。それは読んでのお楽しみ。芥川賞作家と大人気絵本作家の共演です。

 

以上紹介した本以外にも、読書や図書館にまつわる小説や、本の歴史や写本を取り上げた事典など「読書の秋」を楽しめそうな本が展示されています。

 

◯コーナー「君たちはどう生きるか」より

 ・・・10年ぶりに公開された宮崎駿の作品にからめて、「アニメ」関係、「仕事」関係、そして「行き方」を考えるヒントになりそうな本を集めてみました。

『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎 岩波文庫 マガジンハウス)

『漫画 君たちはどう生きるか』(原作・吉野源三郎 漫画・羽賀翔一 マガジンハウス)

 岩波文庫版は巻末に丸山真男の解説が、マガジンハウス版は巻頭に池上彰の解説がついています。漫画版もありますので、自分に合っていると感じた一冊を手に取ってみましょう。最初から順番に読むのもいいのですが、気になる章段から読み始めてもいいと思いますよ。この本1937年に発行されたものなのですね~。80年以上も前のことです。その頃の少年少女はどんな思いでこの本を読んでいたのでしょう。

 

『名作アニメの風景50』(発行人・三好伸吾 株式会社東京印書館)

表紙にある「誰もが知っているあの物語の舞台へ」の言葉どおり、見開き1ページで、アニメのワンシーンと実際の風景、短めの解説という構成です。風景写真の場所が地図で示されているのも嬉しいポイント。子どもの頃に見たアニメを思い出す人もいると思います。

ホッとしたい時のオススメの1冊。ただ選ばれているアニメ、今の高校生がどれだけ知っているか?この点も興味あります。

 

『学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで』(岡田麿里 文藝春秋)

経歴によると著者は1976年生まれの脚本家。小学校高学年から高校時代まで、学校に行けなかったとあります。

知っている人は知っているでしょうが、著者はアニメ界においてオリジナル脚本で次々とヒットを生み出している存在です。

代表作は「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」(2011年)。「心が叫びたがってるんだ」(2015年)。

本書はそんな著者の自伝です。いわゆる不登校であった著者が、自身の作品によって、故郷「秩父」がアニメファンから「聖地」と呼ばれるようになるまでには一体どんな歩みがあったのでしょう。これもまた「どう生きるか」に答えた1冊です。

 

『スタジオジブリ物語』(鈴木敏夫 集英社新書ノンフィクション)

著者はスタジオジブリ代表取締役プロデューサー。スタジオジブリで制作されたアニメの裏側が余すところなく語られた1冊です。

「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ「となりのトトロ」「火垂るの墓」・・・など作品ごとに企画が持ち込まれ、スケジュールを調整し、監督の思いや社内の問題など様々な困難に立ち向かい作品が完成するまでの過程を綴った本書は、そのままスタジオジブリの歴史でもあります。同じ著者による『ジブリの文学』(岩波書店)は、著者がジブリ作品を振り返った「熱い風の来た道」(第一章)、著者の読書歴を綴った「人生の本棚」(第二章)、「楽しき作家たちとの語らい」(第三章)といったまさに「ジブリを文学した」内容です。敏腕プロデューサーの頭の中をほんの少し覗いた気分になれると思います。スタジオジブリ関係については『ふたりのトトロ~宮崎駿と『となりのトトロ』の時代~』(木原浩勝 講談社)もあります。

 

『14歳からの哲学~考えるための教科書~』(池田晶子 株式会社トランスビュー)

生き方を考えるヒントの一つとしてぜひ哲学を。哲学は悩みの根源にまで遡り、悩みに言葉を与え、相対化し客体化し悩みと付き合うための程々な距離を示してくれます。悩んでいる自分自身を冷静に見つめるもう一人の自分を作り出してくれるのです。

紹介する本書は、多くの人たちが疑問に思ったり、どう捉えたら良いのかに悩んだりした経験のあるテーマについて、著者が程々の長さで分かりやすく解説してくれたものです。「自分とは誰か」「死をどう考えるか」「他人とはなにか」といった普遍的テーマから、「家族」「規則」「友情と愛情」といった社会的テーマまで、30の項目が用意されています。気になるテーマから読み進めることをおすすめします。

 

『君たちが生き延びるために~高校生との22の対話~』(天童荒太 ちくまプリマー新書)

著者は『悼む人』で2009年直木賞を受賞した小説家。本書は題名にある通り、高校生から寄せられた22の質問に答えたものです。

「挫折の経験は 人を成長させますか?」「へこんだ時 どうしたらいいですか?」「つらさを ひとにどう伝えたらいいでしょう?」

こんな高校生からの質問に直木賞作家はどう答えるでしょうか。本書の見どころは、ここだけではありません。この対話を挟み込むように著者から若い人たちへのメッセージが置かれています。メッセージⅠ「ともかくまず生き延びよう」、Ⅱ「好かれる患者と嫌われる患者」、Ⅲ「幸せが何か わからない人に」。メッセージの小題を書き抜いて見ました。この後どんな言葉が語られるのか。気になる人は、図書館まで。

 

『やりたいことが見つからない君へ』(坪田信貴 小学館YouthBooks)

本書冒頭で著者は言います「やりたいことがなくても大丈夫」「やりたいことがある!はむしろ珍しい」と。そんなところから出発して、「結果を出す人」の特徴や「正しい努力の方法」、「自己の可能性とその伸ばし方」といった高みへと読者を導きます。そして最後は「自分の人生を生きる」という最終目的地にしっかりと送り届けてくれるのです。途中に散りばめられたエピソードは楽しいし、具体例には説得力があります。やりたいことが見つからないそこのあなた!オススメです。

 

今回紹介した本は、各コーナーに展示されている中の一部です。もちろん借りられます。

また入り口脇の「司書さんオススメコーナー」の本も随時入れ替えています。

「こんな本があったのか~」といった発見があるかもしれません。

図書館は知の宝庫。心の冒険の入り口です。週に1日でも、部活のない日に覗いて下さい。

  →図書通信HP5(前の号)はコチラから

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